ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
シド博士から、実験の申し出を受けてから3日後の午後。
我々3人は研究所を訪れた。
所内は静かで、立ち入り出来る所に人の気配が無い。
途中、誰ともすれ違わなかったのは珍しいことだった。
博士は約束の時間より、10分程遅れて現れた。
「待たせたな。」
博士は、疲れたような表情をしていた。
「来たまえ。」
部屋に案内する間、博士は無言だったので、我々は顔を見合せた。
「待たせてすまなかった。そこに掛けたまえ。」
部屋に入り、博士が上着を脱ぎながら言った。
我々が椅子に掛け、博士は切り出す。
「さて、返事を、聞かせてくれないか。」
「実験に、是非協力させて下さい。」
「この様な機会を与えて下さって光栄です。シド博士。」
我々が伝えると、博士は、やや沈黙した。
勢いに幾分気圧されているかのように見えた。
「君たちの協力、感謝する。」
博士は言い、そして続けた。
「最後に聞きたいのだ。…嫌なら断っても構わないのだぞ?」
断っても構わない、という言葉が、我々にはシド博士らしくなく弱気に聞こえた。
「博士に選んでいただいたので、我々のような一介の兵士が魔導帝国の礎を担えるのです。
これほど名誉なことがあるでしょうか。」
「博士、是非、我々を。」
迷いは微塵も無く答えた。
「…分かった。」
博士は我々の決意を受け入れたかのように、重々しく言う。
「では、予定を話そう。」
博士が話し始めたので、我々は耳を傾けた。
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