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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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「博士。」物思いに耽っていると、小さく声が聞こえた。
「何だ。今はまだ喋らずとも良い。」か細い声に応じ、会話を止めようとする。
「博士、教えていただきたいのです。」ケフカは言った。
話をしたそうだったので、私は問いに応じた。
「何が聞きたい。」私はこの男が何を考えているのか、知りたいと思った。
「2人は、どうしていますか?」ケフカは口を開いた。
「2人とは?」私は聞き返した。
[2人]が誰を指しているのか。思い付かない。
訝しく思っていると、ケフカは思いがけない名を言った。
「ウィリアムとフィリップです。」
「ウィリアム、フィリップ?」
「そう、先程、私と一緒に実験を受けた2人です。彼らは今どうしていますか。」ケフカは言った。
昨日のように実験について言及するケフカに、私は驚き、そして忌まわしい思いをする。
ケフカは続けた。
「腕が熱いです。私は魔法を使えるようになったのでしょうか。2人はどうしていますか?教えて下さい。」
「混乱しているのか。彼らはもういない。君も知っているのではないか。」
私は衝撃を隠せず、やっとのことで答えた。
ウィリアム・H・ブラウンが、魔導による疾患を扱う施設で死んだのはつい数日前のことだ。
ケフカにとっても既知であるはずだ。
10年以上前のあの実験。
あの実験でケフカ以外の2人は重篤な疾患を患い、二度と軍に復帰出来なくなった。
人間と接することすら不可能になり、ずっと施設に収容されることになったのだ。
ケフカは天井を見回し、いやに意味深げに呟いた。
「ああ…。もう、いない、ですね。」
「ああそうだ。今になって、何故そんなことを聞くんだ。何が言いたい。」私は声を荒げていた。
この男の存在は今なお、私を責め立てる。
「博士。」ケフカが言うので、私は恐る恐る耳を傾ける。
「なんだ。」
「…私で、最後ですね?」ケフカは笑いながら言った。
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