ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
植物園。
シドは自身が所有しているこの場所に一晩中いた。
日中は仮眠室にいるケフカに睡眠薬を手渡し、一度だけ自室に戻ってから、その後園に篭った。
再び研究所に戻る気になれなかったのだ。
研究所はシドが数十年を掛けて作り上げてきた。
シドの研究の全てが詰まっているといっても過言ではなかった。
しかし、その研究所に出入りすることが、近年は苦痛に感じることが多い。
シドが魔導研究の第一人者として、帝国に加担するのは戦争が終わるまでだと思っていたが、帝国は侵略を拡大させる一方で、未だに終わりが見えなかった。
終わりが見えない戦争への加担と、魔導注入を施した者への罪悪感が今になってもシドの神経をかき乱していた。
特にケフカに対しての魔導注入が失敗してしまったこと、幼いセリスに魔導注入を施し魔導戦士に育てあげてしまったことを後悔している。
シドが誰とも会わずに、植物園に篭るのは、そのような心を乱す様々な事から距離を置くためであった。
花を愛でている間だけは忘れられると思っていた。
このような後悔は昔研究に情熱を費やすことが出来ていた頃には考えられなかったことで、自らが年を取ったと思う。
ふと時計を見る。
もうすぐいつも出勤する時刻になると気付いた。
年を取る毎に時間が経つのが早く感じる。
今日は、ケフカが研究所に侵入した理由を話しに来ると言っていた。
シドは重い腰を上げて立ち上がる。
そして、研究所へと向かった。
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