ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
「それで?」
シドは続きを促した。声に少し怒気を含んでいた。
ケフカは続ける。
「研究所に入ってからの記憶は曖昧です。夢を見ていたのだと思います。当時の博士や仲間達の夢を見ていました。裏口からそこまでどのように移動したかは覚えていませんが、目覚めると実験室にいました。」
「…。」
シドはケフカを険しい表情で睨みながら聞いている。
「実験室で今までの出来事が夢だったと気が付いた時、私を気を失いました。そして昨日仮眠室で目が覚めたのです。」
ケフカの話は終わった。
シドの表情は険しい。
ケフカの話には信じられる要素が無いと思っていた。
少しの沈黙の後、シドは重い口を開く。
「私は、君が本心で伝えているのかを、慎重に判断しなければならないようだ。」
シドはカップを手に取り、茶を一口だけ飲んだ。
「何故、慎重にならなければならないか、理由を言おう。」
シドはゆっくりと言った。ケフカの表情に注意しながら。
ケフカに嘘をついている自覚があれば、表情が変わるかもしれないと思っていた。
「君が侵入に使ったと言った裏口は、半年も前に無くなっている。今は取り壊され壁になっているのだ。よって君の証言は本心からなのか、問わざるを得ない。」
シドは言った。
しかし、その言葉にケフカは眉一つ動かすことは無かった。
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