ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
「頭を上げてください。」
ケフカは頭を垂れたシドを冷えた視線で見て言った。
「魔導の力で帝国が繁栄した今、あれは忘れ去られるべき些細な事故。魔導研究の歴史にもそう記されるでしょう。」
博士を責める者などいないのです。
ケフカはそう言うと、再びベッドに身体を倒した。
「博士、眠れる薬をいただけませんか?」
顔を上げたシドはやや呆然としながら、睡眠薬か、どうしたのだ、と聞いた。
「眠りが浅く支障があるのです。夕方までには出ますからしばし貸していただきたい。…良いですか?」
「ああ。良いだろう。薬を取りに行ってくる。しばし待ちたまえ。」
シドはそう言ってぼんやりとしたまま背を向けた。
「ああそうだ。」
ケフカは声を発した。
「私が研究室に入り込んだ理由をお伝えしていませんでした。」
ケフカは背中を向けたシドに声を掛ける。
「…。」
しかし、シドは声を発することも出来ずにいた。
「……その様子ではお伝えしても意味が無いかもしれませんね。明日改めさせて下さい。」
「ああ、分かった。」ケフカの申し出に、シドは小さく答え、ドアを開け出て行った。
ケフカはその姿を見送ってから、白い天井を見つめ、そしてため息をついた。
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