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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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何通かの手紙を受け取って、ケフカはさらりとその内容を確認した。

その中に薄いベージュ色の封筒を見つけて、ケフカは心の中で舌打ちをした。
宛名に自分の名が書かれているが、字は殴り書きの様に汚く、その綴りすらも間違っている。
封筒の裏には[マランダ中央孤児院]とだけ印字されており、送り手の情報は書かれていなかった。
ここ最近、同様の封筒が何通も届いていて、ケフカにとってこの件は片付けなければならない事になっていた。

ケフカはやや苛立った表情をしていたが、背を向けていたのでセリスには気付かれなかった。
ケフカは手紙類を机に置いて、再びセリスの前に腰を掛ける。

セリスはケフカを見上げた。
「待たせたな。さあ、何が聞きたいんだ?」
ケフカはそう言って手を組む。
先程までの苛立っていた表情は穏やかなものになっていた。
「ええ…」
セリスは確認したい事を話始めた。
ケフカはそれに対して丁寧に返答していく。
時にはセリスの思い及ばぬ点についても話していった。

セリスはケフカの言葉を一言一句漏らさぬよう、耳を傾けていた。
言葉の1つ1つが染み入るようにセリスの中に入っていった。
ケフカから大きな任務を任せられたという喜びは、それに応えたいという気持ちに変わり、その為には自らが成長しなくてはという焦りに近いものに変わっている。
セリスはケフカの目を真っ直ぐに見て、真剣な表情で話を聞いている。

痛い程真剣な眼差しに、ケフカはセリスの思いを感じ取っていた。
セリスが発する言葉の端々からも、彼女が以前よりも成長していることが分かった。
幾度の困難を乗り越える度にセリスは少しずつ強くなっていった。
絵本を読んで欲しいとせがんでいた小さなセリスは帝国軍の一員となり、遠征中に迷子になった危なっかしいセリスは魔封剣を修め、帝国軍に必要不可欠な将軍の一人となった。マランダで苦戦して泣いていたセリスはその決戦で指揮を執り将軍として勝利をおさめた。
そして今は自分の後継者として、真剣に任務に取りかかろうとしている。
ケフカはそんなセリスの姿のひとつひとつを忘れたくないと思う。

ケフカを知る者であれば、彼のその慈しむような物言いと表情に驚きを覚えるだろう。
ケフカはセリスとの時間を大事にしたいと思った。
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