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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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月の前を雨雲が早い流れで通り過ぎる。
空気は冷ややかだったが、寒くは無かった。

研究所を取り囲む高い塀があり、沿って歩く。
この道沿いを歩くことは久しくなかった。

遠い昔、魔導研究所で何ヶ月か過ごしたことがあった。
通りはあの頃と変わらない光景だったが、這う蔦の量が時の流れを物語っている。

研究所の門前。
鉄の扉の前に立つと、初めて訪れた時の事が蘇った。
緊張感と高揚。仲間いう心強さと、帝国軍の一員として務めることへの使命感。

懐かしい。そう思い、戯れに門を押した。
意外なことに、それはあっけなく開く。

鍵がかかっていないはずはなかったが、大して気にも留めず、
それよりも仲間とよく話した木が目に入って、門を開き、潜ってそちらへ向かう。
あの頃は楽しかった。
だんだん懐かしい場所が近づいて、彼らの顔を思い出す。
木に触れると、彼らの声を思い出した。
気付くと、木の陰に小さな階段があり、いつも使っていた出入り口があった。
何故か忘れていた、古ぼけた扉。
ああ、あったな、と思い歩を進めた。

メッキの剥がれたノブに手をかけ、それを回す。
やはり扉は開いた。

室内から温い空気が漏れて顔を覆う。
暗がりに懐かしい光景が広がる。
目の前に若いシド博士が見えた。
 

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