私は椅子に座り、来ていた手紙に目を通し始めた。
その中の一通にある文字列が記されていて、私は顔をしかめた。
その文字列は、順番を入れ替えると、ある施設の名になる。
魔導の力を得た者が収容されている施設の名称だった。
私は秘密裏に、実験を受けた者の行く先を追っていた。
何かがあれば、知らせがくる。
施設からのそれは大抵、悪い知らせだった。
封を開き、目を通す。
遠征の最中にまた1人死んだ。
私と同じ時期に実験を受けた、顔も名前も知っている人物。
死因は書いていない。
「……。」
私は手紙を置き脱力した。
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