ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
「…怖い。」
尚も言い続けるティナ。泣きそうな顔をしている。
「無礼な奴だ。」兵が手を振り上げた。
「止めろ。手荒な真似はするな。」
ケフカは言った。
「この娘は数人程度なら一瞬で殺す。」
「むう…そうは見えないですが…。」そう言って兵は引き下がる。
ケフカは怪我をした手を上げて言った。
「これのせいかもしれない。」
殆ど手当てをしていないので、血がまただらだらと流れだしていた。
「……怖い。」ティナはまた呟いた。
「血を見ると辛い記憶が蘇るのかもしれない。」
ケフカは言った。
「ケフカ様、怪我をされていたとは。気付きませんでした。医療班を呼びましょう。」
兵は慌てて言った。
「呼ばなくても良い。」
ケフカは兵に伝えながら気付いていた。
ティナはただケフカの顔を凝視していて、傷に見向きもしていない。
「勝手に行くさ。」
ティナが怯えて震えていたので、声を掛けるのを止め、その場を後にした。
連中に背中を向けるが、ティナの視線が突き刺さっているのを感じる。
人間を刺した感覚、傷の痛み、怯えた瞳、胸のざわめき。
何故、今、自分が焦燥に駆られなければならないのか分からず、歩を早めるしかなかった。
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