ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
「セリスよ。」
「何?」
博士がいつになく神妙な顔つきなので、セリスは思わず顔を上げた。
「正直に答えてくれないか。」
博士の言葉にセリスは幾分首をかしげた。
「お前は最近忙しそうだが、将軍になりたいと思っているのかい?」
博士は言った。
「博士。」
それはセリスとシドの間で、あまり触れられることのない話題であった。
セリスは、シド博士が最近軍に関する話題をしたがらないと感じていた。
ことに魔法を使うことに関して、口には出さないがよく思ってないようだった。
それが何故かは分からなかったが、セリスは戦場での出来事も、軍に関することも、魔法に関することも、
博士にはあまり話さなくなっていた。
「なりたいわ。」
将軍になりたいのか、そのシドの問いにセリスは答えた。
「……。今ならまだ、別の道も選べるのだぞ。」
少しの沈黙の後にシドは言った。
シドの言い含めるような物言いに、セリスはその言葉の重みを感じた。
「私はこの国を守りたいの。せっかく魔法という特別な力を授けてもらったんだから。」
セリスは答えた。
セリスは、博士が問うたのは、優しさだと思った。
迷いは全く無かった。
(私は皆の力になりたい。)
そう思った。
セリスの返答にシドは少し目を伏せて、諦めたかのように「そうか。」と言った。
「お前の好きなようにしなさい。ただし、くれぐれも命は粗末にしないでくれ。」
セリスには、そう小さな声で言った博士が寂しそうに見えた。
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