ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
「レオ・クリストフです。よろしくお願いします。」
3年前のある日、私は地方からベクタに配属になった。
ベクタは私がいた所より、やはりあわただしく緊張感に溢れていた。
施設を案内してもらっている最中、奇抜な格好、不思議な化粧をした男が目の前を通り過ぎた。
「あの方は?」
「ケフカさ。ケフカ・パラッツオ、名前は聞いたことあるんじゃないかい?」
「ああ…あの方が。」
確かに聞いたことはあった。
魔導アーマーをはじめとする、数々の道具を発明した。そして自らも失われたはずの魔法を使う事が出来る、博士であり魔導師。
私は何年も軍にいながら、会った事が無かった。
「挨拶をしてきます。」
「いや、ちょっと待て。」
歩を進めようとしたところで、引き留められた。
「どうしました。」
「あの人はとても変わった人だ。機嫌がよろしくないと何されるか分からないから、気をつけた方が良いよ。」
「そうですか。ご忠告ありがとうございます。」
格好を見れば変わった人物であることは、一目瞭然であるが、ベクタともなると癖の強い人間も多いのかもしれない。
失礼します。声を掛け挨拶をしたが、「ああ。」と興味無さげに一瞥しただけで、去ってしまった。
多少呆然としたが、何事もなくほっとした。
ケフカは変わった人、もとい普通ではない人だった。
ベクタでは周知の事実であったようだが、ケフカは魔導注入の影響により、精神の近郊を保つ事が出来ない。
ケフカの世代、私より数年前であるが、彼らの世代で魔導注入をを受け生存し、
且つ生活を営めている者について、私はケフカしか知らない。
ケフカの存在は奇跡に近かったのかもしれなかった。
さすがと言うべきか、ケフカの魔導に対する没入は凄まじく、破壊力の高い兵器を次々と開発した。
しかし、その姿は帝国諸とも得体の知れない力に溺れていくように見えた。
ドマにて。
ドマの兵は祖国を守るべく、勝てる見込みは無いと分かっていながら、籠城を試みていた。
数日もすれば降伏し、血も流れずに済むだろう。
しかし、私は皇帝のご命令により、ベクタに一時戻らねばならなくなった。
気がかりは、ケフカに後を託さなければいけないことだ。
気の迷いで大変な事をしないよう、何度も伝えたはずだった。
悪い予感ほど的中する。
ケフカが毒を用い、城内の者を全滅させたと一報が入った。
何故、そんな事を。
あまりの残虐さに戦慄する。
ケフカの残忍さを見抜け無かった、己の甘さに腹が立った。
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