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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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 私は、魔導についてあまりにも無知だった。
そもそも魔導の力は幻獣の命を奪って作られるということも知らなかった。
魔導注入には、失敗があった。
また、現在においても未だ数多くの失敗があった。
失敗で無くとも、副作用で精神の均衡が失われる場合が少なくない。
それ故、過去に魔導注入を受けた者は、哀れな末路を辿っている場合が多い。
軍、研究所の上層部の一部のみがそれを知り、地の底まで隠蔽していた。
ケフカもまた隠していた。
私はそのような力とは知らずに、喜んで享受していた。
己の愚かさに腹が立つのと同時に、現実に酷く打ちのめされた。
魔導は既に深く根を下ろしていた。
魔導戦士の誕生、魔導アーマーの完成。
どちらももはや帝国に欠かせない力となっていた。
力を得た帝国軍は再び遠征に於て大勝利を収めた。
気付くのが遅かった。
戦果とともにケフカの「活躍」が伝えられる。
シド博士とともに、ケフカの名も日に日に広まっていく。
女々しい言い方をすれば、私は裏切られたような気さえしていた。
残虐な魔導士ケフカの活躍を聞く度に、どうしてしまったんだ?
と焦燥感に駆られた。
大事な事は何も分からず、ただ事実のみが飛び込んでくる。
私は意を決してケフカのいる部屋を訪れた。
ドアが開くとケフカが覗いた。
「ああ、どうしたんだ?」
入れよ。怪訝な顔をしながらも招き入れてくれた。
「何か言いたそうだな。」
背を向けたまま言った。
「話があって来たんだ。魔導について調べた。」私は口を開いた。
話を終えると、ケフカはよく調べたなと呟いた。
「こうして今目の前にいるのはお前なのに、遠征の話を聞くとまるで別人のように感じる。
お前が本当は何を考えているのか、知りたくて来た。」
それが私の気持ちだった。
ケフカは水を飲みグラスを置いた。
「魔法が使えるようになって、お前は平気で人を殺せるようになった気がしてしまう。
西での遠征の時を思い出す。正気を失っていて、見えない何かと戦っているみたいだった。」
「魔法のせいだと言いたいのか。」
「ああ。俺はそう思った。言えない事はあったと思うが、言って欲しかった。すごくモヤモヤする。」
「お前にだって言えない事はある。分かるだろう。それに、話してどうにかなるものでもない。」
「錯乱が進んだ人に対して、幻獣に魂を食われたと言うそうだな。あの時のお前はちょうどそんな様子だったんじゃないかと、今にしてみれば思う。」
だから、そう言いかけた所でケフカは笑いだした。
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