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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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その日をきっかけに、セリスは僕の部屋を訪れるようになった。
セリスは黙って傍らにいてくれた。
それだけで僕の心は随分落ち着いた。
駄目な時は助けてもらった。

一回だけ、僕から離れてくれと告げたことがある。
気持ちを整理して、意を決して告げた。
不安は永久に僕を支配する。
彼女に何かしてあげることは出来ないから。
本当は、心底、彼女を欲していた。
不安を、孤独を、寂しさを埋めるため、僕は都合良く彼女を利用した。
僕の心に愛なんて感情は生じなくなっていて
依存が深ければ深いほど、もう一人で生きていけなくなるのに。
彼女にいて欲しい。
僕は彼女のことなんてちっとも考えてない。
それでも彼女は傍にいてくれた。
「考えすぎよ」と僕をたしなめる。
セリス、僕と一緒に生きてくれますか?
お願いだから、離れないで。
でも彼女はあっさり僕を捨てた。
はじめから分かっていた。
それなのに、裏切られた虚しさといったら。
どんなに地位を固めても、まともじゃない人間と過ごすなんて負担なだけ。
面白そうだから、近付いて、構って、飽きたんだ。
未来を邪魔するだけの男なんて、価値は無いってことか。
それから、僕は真の絶望の中にいた。
眠りから覚めた時から、僕の心は低く垂れ籠める暗い雲。
唯一、ほんの少しだけ、心が落ち着くのは、僕以外の人間の不幸。
きっと君らは、僕より不運だ。
なんたって死の淵にいる。
死にたくないのに死にそうなのは、苦しいに決まってるんだから。
セリス、もう二度と僕の前に現れないで。
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