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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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「最近、活躍が目覚しいな。ケフカ。そしてシド博士。」
ガストラ皇帝は玉座に浅く腰をかけ、正面の年若い魔導師を見つめた。
ここは玉座の間。
魔導師ケフカと、魔導研究所の責任者シドは皇帝に呼ばれて参じていた。
「滅相もございません。陛下のご威光があればこそです。」
魔導師は慇懃に答える。
シドは勿体ないお言葉、と呟いた。
「魔法の力を見せよ。」
話も進み、皇帝はやや声を弾ませ言った。
「そのつもりで参りました。」
あれを。魔導師は後ろに控えていた兵に声をかけた。
シドは何の事か分からず背後を振り向いた。
「よろしいですよね?」
魔導師は微笑んだ。
兵士が連れてきたのは、顔を白い布で包まれ、手足を拘束された男。
魔導師はその白い布をゆっくりと取り払う。
魔導師の故郷を焼いた将軍だった。
シドは眼を見開いて魔導師を凝視した。
「多少、汚れますので、外へ。」
魔導師はエスコートするかのように、皇帝を促した。
廊下で歩を進めながらガストラは思っていた。
この者は変わった。
たった数ヶ月前この魔導師は、取るに足りない若者に過ぎなかった。
魔導の力を得たので少し注意して見てはいたが、たいしたカリスマ性があるわけでもなく、バカでは無いが、したたかでもない。
持った印象などそんな程度だ。
それがこの様だ。
気に食わない人間を処刑し、それを私に見せようとしている。なんと人は残酷になるのだろう。
(魔法の力とは恐ろしいものだ。)そう思うのと同時に、その力に魅力を感じた。
柱に拘束された将軍は必死の形相で哀願している。
魔導師は何も聞こえぬかのように、その首を掴んだ。
シドは立ち去る事も出来ず、顔を背け苦い表情をしていた。
「ヒッ、助けてください。」将軍は泣き出し鼻水まで流す。
それを満面の笑みで見つめながら、魔導師は手のひらに魔力を集め始めた。
「あ…あ…」じりじりと皮膚が、焼けていく。
ぎゃーと叫び声がして、将軍は一瞬にして炎に包まれた。
「いかがですか?」かつて将軍だった物が動かなくなってから、魔導師は言った。
「良かろう。強い力だ。」たいした時間も経たずに、炭となり果てるだろう。
この力はかつて人が持ち得なかった力だ。
「ケフカよ、お前には前線にも出てもらいたいが、その経験を生かすためにシドと組むがよい。
魔導の研究にも励み、我が帝国を最強にせしめる兵器を作るのだ。」
「仰せのままに。」魔導師は礼をし、シドは御意と言った。
お時間を取らせてしまいました。そう魔導師は去ろうとする。
「待て、ケフカ。」ガストラは呼び止め、魔導師は振り返った。
「期待している。」皇帝は言う。
「分かりました。」と、魔導師は微笑んだ。
研究所へ2人戻る途中、魔導師は不意に立ち止まり話しかけた。
「博士。僕は化け物ですか?」
少しの沈黙があった。
「君は、化け物なんかじゃない。」シドは答えた。
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