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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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  あれからどうして私はケフカに近付いたのか。
この人は変わっていないのかもしれない。だから確かめたかった?
優しいケフカに会いたかった?
ケフカには誰もいないから?
孤独なケフカを分かってあげられるのは、私だけだから?
10年以上の時は長すぎて、もはやケフカを元に戻すことは出来ない。
ケフカのしてきた罪が消えるわけでもない。
心に異常を来たしたとしても、善悪の判断までが崩壊したわけではないし、なにより罪の意識を感じていない。
ケフカがしてきたことは、ケフカが望んでしたこと。
それはケフカが生まれながら残忍な人間だったってこと?
私にあまり近付かない方が良い。
一度だけケフカは言った。
寂しさを埋めるために君を利用するだろう。
誰だって独りは嫌なんだ。
ケフカは身体を丸め、布団をすっぽりとかぶって眠る。
酷く落ち着かない日があれば、そんな時は抱き締めた。
出来るだけ強く、顔が埋まって苦しいくらいに。
いつも「ありがとう、もう大丈夫だ」といって離れるが、あれは大丈夫ではなかったのだ。
ケフカの残虐さ、横暴さは許されるものではなくなっていた。
ケフカが力を発揮すればするほど、微笑む者は減り、泣く者は増えた。


ケフカなら、世界を支配出来るだろう。
皇帝をも亡き者にしようとしている。
僕と一緒に生きてくれますか?
夢うつつに聞いた声。
私には支えることは出来ない。
ケフカはただ残虐行為に快楽を感じるサディストではない。
ケフカの言葉は空っぽの正義感よりも、有無を言わせない力があった。
ケフカを止めるほどの信念を、戦うことの意味を、私は持っていなかった。
私は、もう特別な存在であり続けることに疲れていた。
何のために戦っているのか。
帝国のため?自分のため?この戦いで誰が幸せになるの?
ある戦局の夜。悩んだ挙句、私は逃げ出した。
運命から、果たすべき役目から、ケフカから。
逃げ切るためには全力で駆けなければならなかったのに、
行く当ての無い身体はノロノロとしか動かなかった。
幾ばくもいかない所で私はあっさりと捕まった。
牢屋から連れ出して、私を守ってくれると言ったロックは、私にとっては、待ち望んだ王子様。
誰かに連れて行って欲しかった。
私は軍人の端くれ。簡単には心を動かさない。
息巻いたが、言動と心が一致していないのは自分が一番分かっていた。
「裏切り者のセリス」
私はケフカを裏切った。

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