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ケフカについて書きます。二次創作あり(文章) 小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
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セリスは自室に戻った。
本棚から会議で使用するための地図を取り出そうとする。
その地図は他の本と比べて大きいので本棚の下段に入れてある。
屈んで地図の背表紙の上を指で引くと、隣に並べていた赤い背表紙の本が滑り落ちた。
セリスはそれを手に取る。
子供の時、研究所にいた頃に良く読んだ絵本だった。
表紙に施されたキラキラとした飾りの幾つかは取れている。
紙の部分は幾分痛んでいるところもあった。
10年以上前にシド博士から貰った本。
セリスはページをめくった。
最初の一節に目を通す。

不意にケフカの声が聞こえたような気がした。
ああ。
セリスは思い出した。
小さかった時、私はケフカの膝の上に乗せられて、朗読を聞いていた。
時々、研究所を訪れるケフカにせがんで、本を読んでもらっていた。
ケフカの膝の上は、不思議と落ち着いた。
シド博士はいつも忙しそうで、周りの大人は距離を置いているように思えた。
実験を受けることになる子供にかかわりたくなかったのだろう。
そういえば孤児院を訪ねる大人も似たようなものだった。
私は人を寄せ付ける雰囲気ではなかったシド博士を避けて、ケフカに懐いていた。
孤児院から研究所に引き取られてひとりぼっちだと思っていたが、
本を読んでもらっているその時だけはその気持ちが取り去られていたような気がした。
恐らく、私はケフカに「甘えて」いたのだ。

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