ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
ケフカは取りあえず、セリスのうさぎリボンを箱に戻した。
包装するのは後にしよう。と思う。
ケフカは再び机に向かい、作業を始める。
壁掛けの時計の秒針が、チッチッ…と鳴る。
髪の毛の状況が改善されたわけではない。
かき上げても、かき上げても落ちてくる、髪。
すぐに集中が途切れ始める。鬱陶しい。
髪さえどうにかなれば、作業が進むのに…。
ちらり。
と、リボンの箱が目に入る。
悪魔の誘惑が聞こえる。
そもそも、この事態で待ち望んだリボンが届くなんて、考えられるだろうか。
それならば寧ろ、このリボンはセリスの物ではなく、俺の物なのではないか。
…。
いや、駄目だろう。
何を考えているんだ。正気に戻れ、俺。
あれはセリスの物だ。
考え直して作業に取り掛かるが、無情にも時間は1分、5分…と経っていく。
針は進めど作業は殆ど進まない。
(…。)
ガバッ、ケフカは顔を上げた。
(すまない、今だけ貸してくれ!)
ケフカは心の中で叫んで、遂にうさぎリボンの箱に手を伸ばす。
箱を開け、フワフワのうさぎ部分を掴んで取り出す。
思ったよりも長いピンクのリボン。
ケフカは慣れた手つきでスルスルと髪を結い上げ、ウサギの部分は顔が上になるように固定した。
「ふぅ。」
結いあげて、顔や首周りがすっきりし、晴れやかな気分になる。
これで、髪の毛が落ちてくることもないだろう。
ありがとうセリス!
ケフカは感謝した。
机に向かうと、仕事は嘘のようにはかどり始めた。
20分後。
ケフカは書類作成に集中していた。
黙々と、さっきの10倍以上のスピードで書き上げている。
残り時間は40分弱。
書類はあと1枚。これなら十分間に合う。
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