とにかく書類を作らなければ話にならない。
ケフカは席に着いた。
~数分後~
「……。」ケフカはいらついてた。
既に髪が鬱陶しい。
長くなり量が増えたせいで、耳にかけていても、顔を少しでも動かせば落ちてくる。
後ろも酷くうざったらしく、首元が暑苦しい。
おまけに西日が窓から入ってきて、カーテンを閉めているのにも関わらず背中が暑い。
「ハァ…。」
あまりの集中出来なさに、爪をカツカツと鳴らす。
仕事の進まなさにイラついていると、
コンコン。ノックの音がした。
「郵便でーす。」
不意の訪問者。
ケフカは立ち上がり、ドアを開けた。
下位の兵が立っていて、何通かの手紙と小さな箱を持っている。
「ケフカ様、郵便です。ここにサインを。」
兵は言った。
ケフカはサインし、郵便物を受け取った。
手紙は分かるが、この箱は何だ。
あて先を確認する。
しかし、どういう訳か名前の箇所が殆ど消えて見えなくなっている。
ただ、頭文字が辛うじて「C」であることは分かった。
届け先は、この建物のこの階で間違いは無い。
郵便係がここに持ってきたのだから、自分宛てだろうとは思う。
品名は「雑貨」としか書かれていない。
箱は5センチくらいの大きさで、重さはごく軽い。
手がかりを探そうと、箱を裏返すと、垂れ耳犬のシールが張られていた。
この犬は…。
見覚えがある。
おそらくベクタ郊外にある雑貨店のシンボルだ。
以前、店の前を通った時に、その犬の看板が飾られていたのを見た。
その時、この犬がガス○ラ皇帝に似ていると思ったのだ。
ケフカ自身は、あの店で何かを買った覚えは無いが、単に記憶がないだけかもしれないとも思っている。
実際リボンの件で、ここ数か月の記憶がかなり抜け落ちていると実感していた。
取りあえず、箱の中が気になる。
少し振ってみても、たいして音が鳴るわけでもない。
思い出せないが、ケフカは開けてみることにした。