ケフカについて書きます。二次創作あり(文章)
小話「数年前121~123」更新しました。(2015年8月9日)
戦争終結後、あの時は私も仲間達を埋葬する作業に加わっていた。
そしてその隣にはレオ将軍が、同じく作業をしていた。
この様な事は本来将軍のすることではないが、彼は自分が許せなかったに違いない。
掘っても掘っても終わらない穴堀りと追加されていく亡骸。
私は感覚が麻痺していて、かつての仲間がまるで物のように思えていた。
時々見知った顔が出てくるが、顔を見ても思い出す事が無くなっていた。
「辛く無いか?」
それまで横で黙々と作業をしていたレオ将軍が私に話しかけてきた。
「……。」
私は咄嗟に何と答えて良いか分からず、押し黙った。
そちらを見ると、レオ将軍は、込み上げる感情を抑えているかのようだった。
レオ将軍は手を止めて話を続けた。
「君はツェン出身だったな。家族は?無事なのか。」
話しかけられたので私も手を止める。
この師団に加わって間もないのに、この人は私の出身地を知っていたことに驚く。
「ええ、無事です。妻と娘が1人と母が国にいます。」
私は答えた。
「そうか…。国に帰ったら元気な顔を見せてやろう。」
レオ将軍は少し悲しげに微笑んだ。
(皆、元気だろうか。)
将軍に言われて、何か月ぶりに家族の顔を思い出した。
「…ええ。」
私はそう答えながら、ぼろぼろと泣いていた。
「彼らの家族に会わせる顔が無い。」
レオ将軍は墓穴を見ながら言った。
あの戦いが終わって幾年か過ぎたが、レオ将軍は、未だに死んだ兵たちの家族の元に詫びに行っている。
一日二日で終えられる物ではない数だ。
恐らく、何年かかっても、自団の犠牲者の家族に会いに行くのを辞めないだろう。
私はレオ将軍の真っ直ぐさに惚れたと言って良い。
魔導の力を持たないレオ将軍に対して軍上層部からの風当たりは強いが、私はあの時からこの人を助けたいと心に決めた。
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